メディア芸術データベース(開発版)のリニューアルについて

2016/03/01よりメディア芸術データベース(開発版)がリニューアルされました。

文化庁: 「メディア芸術データベース(開発版)」サイトのリニューアル

データの利用者として、いくつかまとめておきたいと思います。

プレスリリース資料(PDF)によると、アニメーション分野における変更点として以下の点が挙げられています。

  • 検索
    • 「主題歌情報」を追加
    • 検索結果の表示領域の拡張・ページ送りUIの追加
  • 作品情報(シリーズ)ページ
    • 「アニメ作品ID」の追加
    • 「アニメシリーズ備考」の表示位置変更(以前は最下部セクションの「タグ」「原盤メディア」間に配置)

注目すべきは「アニメ作品ID」の追加です。

「アニメ作品ID」は"アニメシリーズ"の上位に存在する"アニメ作品"を識別するIDです。
即ち同じ作品に属するアニメシリーズは同一の「アニメ作品ID」を持ちます。

「アニメ作品ID」自体は(事業報告書などに依れば)もとからデータベースに存在するレコードであり、それが作品ページに出力されるようになったということだと考えられます。

とはいえ、実は以前からも「アニメ作品ID」を知ることはできました。
検索結果の「関連作品」のリンクのURLパラメータasf[aw_id]に「アニメ作品ID」が指定されていたのです。
今回の変更で明示されるようになり、取得するのは楽になりましたね。


プレスリリースには記載は無いことで、リニューアル後のデータをパースしていて気づいた点が他にあります。

「作品情報(シリーズ)」ページの「関連するシリーズ」の出力内容が変わったようです。
以前は、自身が属するアニメ作品のアニメシリーズ全てがここに出力されていたと推測されますが、アニメ作品が持つ「関連アニメ作品へのリンク」も含めて出力されるようになったと思われます。
リンク先URLも「作品情報(シリーズ)」へのURLではなく、検索結果の「関連作品」のリンクURLです。

具体例を挙げますと、

メディア芸術データベース: ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE

「関連するシリーズ」に以前は「ルパン三世VS名探偵コナン」のみ表示されていましたが、「ルパン三世」と「名探偵コナン」のタイトルで"アニメ作品"が表示されています。

こうした複数の作品を横断する場合に対応したということでしょう。
しかしながら、「関連するシリーズ」に表示するレコードとしては不適切な気がします。
ここに表示するのであれば、それらの"アニメシリーズ"を出力すべきでしょう。
さらに言えば"アニメ作品"・"アニメシリーズ"という実体があるのですから、「関連する作品」のような表示項目を用意すべきでしょう。


さて、今回のリニューアルを踏まえて、本サイトのデータベースも「アニメ作品ID」の付与を始めに取組んでいます。
近いうちに更新を行う予定です。